メトロポリタンのおなか

メトロポリタンミュージアムは広いので、一日ではまわりきれません。私は企画展を観に行った時に、その日の気分で観たい常設展示に寄ることにしています。ルーブルや大英博物館もそうですが、無理に全部観ようとすると結局ほとんど忘れてしまうので、時間はかかりますが確実です。近くに住んでいるからできる贅沢な観方でもあります。

入り口を入って左奥にずんずん進んで彫刻を抜けたあたりに、毎回観に寄ってしまう作品があります。円形の台座に3人の子供が載っていて、中央の1人を囲むように2人が眠っている彫刻です。台座のまわりに蟹やサソリなど12星座のレリーフが彫られていたり、フルーツの間で瓶が倒れて水(牛乳かも)がこぼれていたりと、細部もかわいらしく、特に眠っている子供の仰向けのおなかが素晴らしく良いです。足の裏からはじまってモモのつけねからおなかにつながっていくあたりが、くたりと力が抜けつつぷりぷりしていて、何度みても良い。夏の暑い日に、クーラーでよく冷えた頃を見計らってヒタリと触ってみたい。

残念なのは、おなかに比べて頭部の出来が悪いことです。おなかはあんなに優雅なのに、表情も角度もぎこちないので、違う人が彫ったのかもしれません。少なくとも同じ情熱で彫ったとは思えません。冒頭に「ほとんど忘れた」と書いたルーブルですが、ギョッとするほど神々しかった「サモトラケのニケ」は印象的に覚えています。この彫刻も、ニケのようにドカンと頭部が破損していたらもっと良かったかもしれません。

いつも適当に歩くので正確に説明できませんが、とにかく左奥にずんずん進んだレストランの前あたりです。メトロポリタンに行かれる際には、必見のおなかです。
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by mag-akino | 2011-05-25 07:21


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


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近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

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