不思議というには地味なこと

私は子供の頃の印象的な出来事や記憶を元に作品を作っています。今作っているアニメーションもいろいろな思い出の影響を受けていて、そのうちの一つが「病院の絵本の思い出」です。

赤ん坊の頃からのかかりつけの病院の待合室に、行く度に読む絵本がありました。ある日いつものようにその絵本を読んでいたら、いつもと結末が変わっていました。

「あれ?」とは思いつつも特に気にせずに、次の機会に又読んだ時には元に戻っていました。たぶん勘違いだとは思いますが、もう25年以上前の不思議な思い出です。

さてここ最近、不思議というには地味なことが起こっています。自宅の洗面所に置いてある、洗面台を磨く用のアクリル毛糸のタワシ(何年か前に日本ではやったやつ)がふと気づくと床に落ちている、というなんでもないことですが、以前は床に落ちていたことがなかったので、回数が重なって「あれ?」と気になりだしました。顔を洗った後などに、何か新しい習慣のような癖のようなタワシを落とす動作でもしているのかなと考えているうちに、「そんなところに落ちるはずがない」という隙間にはまっているのに出くわして、「…これは不思議。…というか『地味な怪奇現象』なのでは?」と思うようになりました。

そこで思い出したのが、小学生の時に隣りの小学校に通う友達からきいた「トイレの石鹸の話」です。その小学校には幽霊が出るという噂のトイレがあって、友達が掃除当番になった時、ちょっと目を離した隙に手洗い用の石鹸がどんどん移動したそうです。地味さが我が家のタワシ事件によく似ている。

病院の絵本のタイトルは忘れてしまいましたが、絵は藤城清治さんでした。今でも目にする度に必ず思い出し、藤城さんの絵には特別な愛着のようなものを感じています。

タワシの方は「不思議(地味)」と思ってから、洗面所を出る時に落ちていないかチェックするようになり、それ以来1度も落ちているのを見ていません。
① やはりただの偶然だった。
② 隣りの小学校のトイレの幽霊が20年かけてニューヨークの我が家に現れた。そしてバレたのでやめた。
差し当たってどちらでも良いですが、20年後あたりにまた地味な怪奇現象が起こるかもしれないので、一応覚えておこうと思います。
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by mag-akino | 2011-06-08 07:22


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


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近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

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