河童について

制作が軌道にのっていたり、とても集中しているような、いわゆる「調子の良い時」に、手だけが忙しくて頭の中は意外と暇というか空、というような変な感じになることがあります。最近、そんな時にぼんやり河童のことを考えていることが多いのですが、なぜでしょうか。

河童が気になりはじめた時期に、国際結婚されて長いことフィラデルフィアに住んでいる日本人アーティストの友達が、仕事でニューヨークにやって来ました。チェルシーのギャラリーを巡りつつ河童の話をしてみると、予想以上に盛り上がりました。

改めて感じたのは、私たちが河童についてかなりの情報を持っているということでした。有名なミイラや尻子玉などつぎつぎに河童情報を挙げ、さらに「河童を目撃した人からの情報」などを披露していると、「やはり河童はいる」という気になってきました。

先日ふと思いついて、ポストイットに河童の絵を走り描きして「あなたの国にはこういうものがいますか?」と南アフリカ人の友達にきいてみました。「いないし、知らない」と即答されて、「河童についてよく知っていて、『いるのかも』なんて思いたいのは日本人だけなのか」とガッカリしました。よくよく考えると「河童がいそうな場所」も限られています。南アフリカやハドソン川にはいなそうですが、霞ヶ浦あたりだったら一週間泊まり込めば一度くらいはみられる気がするような気さえします。河童の話題で異常に盛り上がるのも、ぼんやりと河童のことを考えてしまうのも、もしかしたらものすごく間接的なホームシックなのかもしれません。
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余談。「河童はいないけど、『トコロシ』なら知ってるよ」と言うのできいてみると、子供の頃にくり返し読んだ「水木しげるの妖怪辞典」の「外国の妖怪」コーナーに載っていたもののことでした。南アフリカ人からアフリカの妖怪について直にきけるなんて…あの頃の自分と水木しげるさんにこの喜びを伝えたい。

トコロシ→http://p.tl/9yit
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by mag-akino | 2011-07-08 06:34


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


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近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

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