アジサイの花の下

大人になってから白いアジサイの花が好きになり、ついでに白以外のアジサイも少し好きになりました。ずっとアジサイの花が嫌いだったので大きな変化です。

近所に生えていたアジサイは、茎のところに茶色の気味悪い斑点がありました。葉の裏に黄色の地味な虫(ツマグロオオヨコバイ)がたくさんくっついていて、頭のところに黒い模様があるので「総武線みたいな虫」だなと思っていました。私は子供の頃から虫が好きだったのですが、住宅街で育ったため華やかな虫がおらず、しぶしぶアジサイの下にもぐってはヨコバイを採っていました。

ある日、いつものように他に採る虫がいなくなり、アジサイの葉を一枚一枚めくっていました。ヨコバイを採りつつ少しずつ下の方の葉をめくっていって、地面すれすれに顔が近づいた時突然、目の前15センチのところに猫の死体があるのに気がつきました。猫の目にはアリの行列ができていました。

このことがある前からアジサイは嫌いでしたが、これも嫌いな理由の一つだと思います。地面が酸性かアルカリ性かによって花の色が変わる、というのもなんだかとても気持ち悪いし、雨の季節に葉が生き生きするのも嫌です。真ん中のところがゴチャゴチャしている額アジサイ、というのも変だし、近くにいつもドクダミが生えていて、その匂いも苦手でした。

子供の頃はアジサイと言ったら青赤紫でしたが、大人になって白いアジサイをみて、はじめてかわいい花だと気がつきました。酸性かアルカリ性かも関係なさそうですし、白いアジサイはいいなと思います。白で良さに気づいたので、白以外のも「よくみると」と思った訳です。

ところで、中学生の時に、交通事故に遭い道路で死んでいた猫を素手で拾ったことがあります。ほっておいても良かったのに、気になって手を出してしまったのは、アジサイの下の猫のせいだと思います。
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by mag-akino | 2011-12-14 00:12


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


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近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

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