餅つきと機関銃

ブログで文章を書きはじめた頃、「そんなに書いてしまったらマンガのネタが減りそうで勿体ない」とよく言われた。そう言われてみるとそうなのかもしれないと思ったが、そんなに大したことではない気がしたので、構わずどんどん書いた。

どんどん書いたら本になることになって驚いた。ちょうど描きたいマンガがあったので、それも描き下ろして巻末に収録することにした。久しぶりにマンガを描いてみて、やはり文章とマンガは大分違うものだと感じている。

たとえば、同じトピックで両方をかくことはできるのだが、文章では「なぜそう思うに至ったのか」をグダグダ説明してみたいし、マンガでは「そう思ったせいか、なぜかこうなった、こう思ったこと」を描いてみようと思う。

絵というのは「なんだかそうなんだよね〜」という部分を説明するのに向いているのだと思う。「なんだかそうなんだよね〜」と無軌道にゆるくなりがちなところを、文章が軌道に戻すようで、絵と言葉を両方使うマンガという形式が私には描きやすい。絵と言葉を両方使うというと絵本や紙芝居などもそうだが、ちょっと配分が違うだけで突然どうやって描いたらいいかわからなくなるのが不思議だ。先日、他のマンガ家さんにそう言ったら「本当にそう思う」と同意していたので、配分というのはやっぱり重要らしい。

ちなみに、この配分のことを考えると、頭の中に餅つきの映像が浮かんでくる。杵で餅をつくのが絵で、言葉はその合間の手水のような感じ。

ついでに、文章を書いていると思い出すのが、たしか(たぶん)吉行淳之介のエッセイか何かに書いてあった「読点を機関銃の打つ」というフレーズである。健康な人ほど文章を長くグダグダ続ける傾向があり、機関銃のように読点を打つ、という話。私もグダグダ続けて、機関銃のように読点を打ってみたいものだと思った。

そんな訳で、餅つきしたり機関銃を撃ったりしながらマンガや文章をかいている。
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by mag-akino | 2012-07-01 05:00


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


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近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

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