五七五でメガネ

友人のメガネが素敵だな、と随分前から思っていたのだ。彼女と知り合ったのは3年ほど前で、はじめて会った時にも「いいな」と思った記憶があるので、もう3年もそう思っていることになる。

先日、彼女を友人に紹介したら、友人は即座に「そのメガネいいね」と褒めて、「私もずっとそう思っていた」と言ったのだが、なんだかそれ以来、気になっている。

そのメガネは、鼻梁から耳まで一息にツルが伸びていて、レンズがさりげなくその間にくっついている。その様子が朝顔の花とツルのように清楚で美しくて、彼女にとてもよく似合っている。眼が悪くなったらこのメガネがいいな、と推定視力1.2の眼でずっとそう思っていたのだ。

友人に先に言われてしまい、「言っておけば良かった」と残念になり、3年間もそう思っていたのに1度もそう言わなかったことに、やっと気がついた。こんな少女マンガの三角関係みたいな感情がメガネを中心に巻き起こるなんて。

3年の間、私の中に潜伏していた「あのメガネいいな」という気持ちが、口に出す程の気持ちではなかった、とは思えない。普段適当に口にしているいろいろな気持ちより、かなりはっきりした感情だったのに、なぜ言葉にはしなかったのだろうか。

小説などを読んで、「こういうことがずっと言いたかったのだ」と思うことがある。私だってそんなことはとっくの昔から知っていたのに、と残念になるのだが、実際には具体的に言葉にできるほど「知って」はいなかったのだと思う。私の「あのメガネいいな」という気持ちも、自分で思うほどはっきりとはしていなくて、なぜいいと思うのか、どういうところが素敵なのか、が具体的には言葉になっていなかったのかもしれない。そういえば先に「朝顔のよう」などと書いたが、本当はどうもうまく言えていない気がしていたのだ。確かにツルの部分が朝顔のようで素敵なのだが、もうちょっと簡潔にピタリとあの様子を表現する言葉あるはずだ。



閑さや岩にしみ入る蝉の声



こんな感じにあの感じを言い表してみたいのだ。



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by mag-akino | 2012-07-24 02:51


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


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近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

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