<   2013年 12月 ( 1 )   > この月の画像一覧

「天井のテレビ」後日談

天井のテレビ」とは、去年八月に書いた文章である。抜き出すとこんな話。

たしか4歳の頃である。夜中にふと目を覚ましたら、足元あたりの天井が四角くぼんやり光っていた。光っているな、と見ていたら、そこに映像が浮かび上がり、突然『忍者ハットリくん』が始まった。その頃観ていた「藤子不二雄劇場」そのままで、あれ?と思いつつ、一話分きっちり観た。ハットリくんが、怒ったつばめちゃんに両耳をとられてしまう、というおかしな話だった。

翌朝目覚めて、夢だったか、と思ったのだが、それにしてははっきり覚えていたため、本当に天井にテレビが映ったのかもしれないと思った。横で寝ていた3つ歳上の兄に、「昨日の夜、天井にハットリくんが」と言ったら、兄は「観たよ。おもしろかったね」と答えた。



さて先日、日本に帰国した時のことである。兄が「そういえばすっかり忘れていたのだけど」と焼き鳥を食べながら話してくれた。なんでも、私が書いた文章を読んで、「天井のテレビでハットリくんを観たこと」を思い出したそうである。

兄妹で焼き鳥を食べつつ推理して、「その日は一緒に『藤子不二雄劇場』を観て、寝る前に『耳なし芳一』の絵本を読んでもらってから寝たために、そんな夢をみた」という仮説をたてた。なんとなくそれらしくも聞こえるが、二人揃って同じ夢をみた、というだけでも割と不思議なのであまり釈然としない。それとも、兄妹というのはそんなものなんだろうか。

エッセイ集に「子供の頃、絵本を読んでいたら、いつもと結末が違っていたことがある」と書いたら、それ以後、「私も同じ経験があります」と言われるようになった。「絵本の結末が変わる」というのは割とよくあることらしいから、「兄妹で同じ夢をみる」ことも結構あることなのかもしれない。もしくは、「天井にはよくテレビが映る」のかもしれない。


b0221185_6473720.jpg

    「パーマン」派だった我ら。(後に「パーマンセット」を買ってもらった。)
[PR]
by mag-akino | 2013-12-12 06:55


アーティスト近藤聡乃ニューヨーク滞在制作記


by mag-akino

プロフィールを見る
画像一覧

近藤聡乃 / KONDOH Akino

2012年5月までの文章が本になりました。

不思議というには地味な話』(ナナロク社)

57編、すべてに描き下ろし挿画つき。26ぺージの描き下ろし漫画「もともこもみもふたも」も収録。



2000年マンガ「小林加代子」で第2回アックス新人賞奨励賞(青林工藝舎)を受賞し、2002年アニメーション「電車かもしれない」で知久寿焼(音楽グループ、元たま)の曲に合わせてリズミカルに踊る少女の作品で NHKデジタルスタジアム、アニメーション部門年間グランプリを獲得。シャープペンを使って繊細なタッチで描くドローイングに加え、最近 では油彩にも着手している。2008年、2冊目のマンガ単行本「いつものはなし」(青林 工藝舎)を出版。

以前の記事

2017年 03月
2016年 11月
2015年 07月
2014年 12月
2014年 09月
2014年 07月
2014年 03月
2014年 02月
2013年 12月
2013年 11月
2013年 09月
2013年 07月
2013年 06月
2013年 05月
2013年 04月
2013年 03月
2013年 02月
2013年 01月
2012年 12月
2012年 11月
2012年 10月
2012年 09月
2012年 08月
2012年 07月
2012年 06月
2012年 05月
2012年 04月
2012年 03月
2012年 02月
2012年 01月
2011年 12月
2011年 11月
2011年 10月
2011年 09月
2011年 08月
2011年 07月
2011年 06月
2011年 05月
2011年 04月

フォロー中のブログ

検索

カテゴリ

全体
未分類

その他のジャンル

ファン

記事ランキング

ブログジャンル

画像一覧